遅くなりましたが、これの続きです。
CPUの概要
AMD Ryzen9 3900Xは12コア24スレッドのCPUです。ベースクロックは3.8GHz、ターボ時最大4.6GHz、L3キャッシュは64MB、TDPは105Wです。
実売価格は60,000円(2020年6月現在)。
競合となるIntel CPUは、Core i9-9900K(60,000円)、内蔵GPUのない9900KF(55,000円)。それと新機種としてリリースされたLGA1200の第10世代CPU。ここにメインストリーム向けCPUの一覧を出したのでぜひ確認してほしい。intel Coreシリーズでは第10世代でCore i7を8コア16スレッドに、Core i9を10コア20スレッドにパワーアップした。今回の比較対象のi9-9900Kに近しいのはi7-17000Kだろう。
メーカー | 型番 | 世代 | コア数 | スレッド数 | クロック | 価格 |
AMD | 9 3950X | Zen2 | 16 | 32 | 3.5-4.7 | 98000 |
intel | i9 10900K | Core 10th | 10 | 20 | 3.7-5.3 | 72000 |
AMD | 9 3900X | Zen2 | 12 | 24 | 3.8-4.6 | 60000 |
intel | i9 9900K | Core 9th | 8 | 16 | 3.6-5.0 | 59000 |
intel | i7 10700K | Core 10th | 8 | 16 | 3.8-5.1 | 56000 |
intel | i7 9700K | Core 9th | 8 | 8 | 3.6-4.9 | 46000 |
組み換え前はCore i9-9900Kを5GHzで動作させていたので、この後比較していきたい。
Ryzen9 3900X vs Core i9-9900K
構成はざっくりこんな感じで、CPUとマザーボード以外は同じ。9900Kは全コア5GHzで動作するようオーバークロックしています。
CPU | AMD | intel |
CPU | AMD Ryzen 9 3900X | intel Core i9-9900K@5GHz |
メモリ | CMK32GX4M2A2666C16 ×2 DDR4-2666 16GB×4(=64GB) | |
マザーボード | ASRock X570 Taichi | ASRock Z390 Taichi |
みんな大好きCINEBENCH
CINEBENCH R15での結果はシングルはほぼ同じ、マルチではコア数を生かして1.5倍の差をつけています。
CINEBENCH R20でも傾向は同じです。CPUぶん回す系の処理はコア数が効いてきます。従来弱点とされていたAMD CPUのシングルスレッド性能はIntelと同等程度まで改善されています。
ゲーム
Intelに最適化されているタイトルはIntel有利だね。といっても実際のFPSが変わらないタイトルも多い。
ストレージ
OSの入っているディスク上でCrystalDiskMarkを実施しました。SSDは同じSamsung 860 Pro 512GB(PCI-Express 3.0 x4)です。
PCI-Express 4.0の効果はないはずのSSDなのですが、Ryzen環境のほうが速い結果になってしまい困惑してます。
消費電力
まとめ
Ryzen 9 3900Xはほぼ同価格のCore i9-9900K(≒i7-10700K)と比較してもコア数ぶん速いという結果になりました。Core i9-10900Kも10コア20スレッド止まりなので、Ryzen 9 3900Xのほうがマルチスレッドでは強いでしょう。
シングルコア性能でも足踏みしているIntelと同等程度まで出るようになり、Zen2アーキテクチャの優秀さが光ります。
ゲーミング用途では、CPUをRyzen 7 3700やRyzen 5 3600Xに変更し、差額で良いビデオカードを選んだほうがコスパ良いでしょう。
PCI-Express 4.0の足回りでディスクの排他なども少なく、ミッドレンジのB550チップセットも出てくるとのことで、イチ押しCPUでした。(AMD CPUをイチ押しと言える時代が来るとは…)