今回はASRock Z390 TaichiにCore i9-9900Kを組み合わせ、8コア5GHzを目指したいと思います。
ASRock Z390 Taichiのポイント
ASRock Z390 Taichiは、Intel第8〜9世代Coreシリーズ(CoffeeLake-S/Refresh)に対応したマザーボードです。
特筆すべきは、M.2 SSDに3台対応していることです。排他条件が割と厳しめではあるものの3台のM.2で高速ストレージを組むのも良いですね。後段で排他条件を検討します。
筆者が選考にあたり重視したのはストレージ環境です。M.2 PCI-E NVMe SSDを2枚とSATAのHDDや光学ドライブを計5台入れるメインマシンです。
その他、ASRockマザーボードの基本となる装備(ニチコン12Kブラックコンデンサ、XXL アルミニウム合金製ヒートシンク、プレミアム 60A パワーチョークなど)は全て入っているので品質面でも安心です。
また、11ac 433Mbps対応のWi-Fiモジュールが入っているので、無線LAN環境でも活躍できます。(このレンジのマザーボードを使う人が無線LANかという問題はさておき…)このWi-FiモジュールにはBluetooth 4.2も組み込まれていて、ゲーマーならXbox Oneコントローラーの接続などで使うことができ個人的には非常に便利です。
Z390 Taichiのストレージ
公式には「8 SATA3, 3 ウルトラ M.2 (PCIe Gen3 x4 & SATA3)」となっていますが、実際には排他となる条件があります。SATAだけ使うないしはM.2だけ使う場合なら問題ありませんが、実際そんな環境はあまりないのではと。
SATA3が8本のうち6本はIntel Z390チップセットから、残り2本はASMedia ASM1061で提供されます。
マザーボードの上から1、2、3と番号を振ってひとつずつ説明します。
1ポートは使用するとSATA3_0、1の2ポートが利用できなくなります。
2ポートはSATA接続のSSDを使用した場合、SATA3_3のポートが利用できなくなります。
3ポートは大きなヒートシンクの下にあります。使用した場合SATA3_4、5のポートが利用できなくなります。
表でまとめます。横が利用するM.2 SSDのポートと種類、縦がそれによって排他となる(≒使えなくなる)SATAポートです。
Intel Z390 Chipset | ASMedia ASM1061 | ||||||||
Port | Type | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | A0 | A1 |
M2_1 | NVMe | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
SATA | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
M2_2 | NVMe | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
SATA | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | |
M2_3 | NVMe | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ |
SATA | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ |
M2_2のポートが一番排他条件がゆるい感じになります。M2_2にNVMeのSSDを利用した場合、最大の8台までSATAデバイスが使えます。せっかくのヒートシンクは使えないですが。
今回は、NVMe SSDを2台、SATAデバイスを5台繋ぎますので、M2_2、3の2ポートを使います。Intel Z390環境ではあまりこの構成では使えるマザーボードはありません。ここもTaichiを選ぶポイントでしょうか。
今回の構成
ここで今回のマシンの構成を書いておきます。
CPU | Intel Core i9-9900K | TB時5.0GHzのバケモノ。その分発熱も。 |
CPUクーラー | Corsair H115i | 280mmラジエーター。 |
メモリ | CMK32GX4M2A2666C16 ×2 | DDR4-2666 16GB×4(=64GB) |
マザーボード | ASRock Z390 Taichi | 今回の主役。 |
SSD1(M.2) | Samsung 960 Pro 512GB | MLC R:3500MB/s W:2100MB/s OSインストール、Office、Adobeなど |
SSD2(M.2) | Crucial P1 1000GB | QLC R:2000MB/s W:1700MB/s SteamやOriginのゲームをインストールする |
SSD3(SATA) | SanDisk Extreme Pro 480GB | MLC R:550MB/s W:510MB/s マイドキュメントなどの作業ファイル |
HDD(SATA) | Seagate IronWolf 4TB ×3 | 4TB HDD。 |
光学(SATA) | Pioneer BDR-S08J-KR | BDドライブ。 |
ビデオカード | Gigabyte AORUS GeForce GTX 1080 Ti Xtreme Edition 11G | GTX 1080 Ti。速い。 |
ケース | Cooler Master C700P | 前にレビュー書いたデカイやつ。 |
電源 | Corsair AX860i | 860W 80Plus Platinum認証 |
マザーボードをながめる
CPU周りはXXLアルミヒートシンクでがっちりガードされています。XXLサイズはZ370 Taichiよりも大きく冷却性能も期待できそうです。また、60Aパワーチョークが12フェーズ、さらにATX電源は8Pin+4Pinの構成でCore i9-9900Kの大電流にも耐えてくれるでしょう。
Taichiといえばこの歯車模様のチップセットヒートシンクが特徴的です。横から見ると立体的な構造になっているのがわかります。また、メーカーのページではホワイトLEDになっていますが、任意のRGB色に変更可能です。
Z390 TaichiではSSDヒートシンクは1本だけとなっています。2本目以降は自分で用意するかつけないという選択になりますが、ここで紹介したいのが通称「はんぺん」と呼ばれている「ワイドワーク 放熱ゴム(実売1000円程度)」です。M.2 SSDの下に挟み込むことでSSDの熱をマザーボード側に放熱させることができます。そのままでは大きいのでカッターで切ると良いです。
バックプレートはいわゆる昔ながらのスチール製のやつでした。残念。
まとめ
Z390 Taichiはストレージが積めて良いぞ。(5GHz駆動の話はまた次回へ)
つづく